2021年10月23日土曜日

SCUMLIGHTS®︎ presents 映画狂猫・蛮男夢(ばんだむ)のBRUTAL CINEMA CLUB(ブルータル・シネマ・クラブ)



1:『悪魔のいけにえ/THE TEXAS CHAIN SAW MASSACRE(1974)


〈おことわり〉基本ネタバレ全開で話が展開します。観てない作品のネタバレをされたくない方は個人の判断で読むのをおやめください。ていうか読んだ後で怒るのだけはくれぐれもおやめくださいね!



蛮男夢(ばんだむ)-スカムライツの宣伝担当。夜の暴力映画狂色欲猫(DISCO CAT)


すかむらいつお-80年代のハードコアパンクとVHSマニアのごくつぶし。蛮男夢の一応飼い主。



蛮男夢(ばんだむ)、以下バ:ついに始まってしまったんだシコ!コレをめでたいと言わずに何をめでたいと言うんだシコ!盆と正月と誕生日と卒業式と結婚式と出所祝いが同時にやってきた感覚なんだシコ!今日だけは呑ませて欲しいシコ!(日本酒をあおる蛮男夢)


すかむら いつお、以下い:おい!この馬鹿猫!何を俺の大事な獺祭をガブ飲みしてんだ、コラ!夏場のポカリじゃねんだぞ!


:獺祭(だっさい)呑んでたらうっさいのが来たんだシコ!せっかくの第一回を汚すんじゃないんだシコ!どっか行けシコ!


:俺んちだ、馬鹿め!で、何の第一回?


:聞いて驚くなシコ!今日から連載が始まったんだシコ!その名も「映画狂猫・蛮男夢のブルータル・シネマ・クラブ」だシコ!(ババーーーーーン!!)好きな映画についての駄話をダラダラお届けする連載なんだシコ!


:………なっ!!(絶句)何だと!!?この俺すら連載なんて持ったことねーぞ!!どうなってやがんだ、糞スカムライツめ!!こんな気狂い猫にやらすなんて!!


:まぁ、待つんだシコ!そこはワイも考えてやったんだシコ!お前もたまには出してやるんだシコ。もっとありがたがるんだシコ。(鼻くそほじりながら)


:ムキーーーーッ!!!()た、た、たまにだって!?……でも、まぁ、たまに出れるならいいか。(ケロッとした顔)

で、第一回は何を喋んだよ?


:第一回はこれしかないんだシコ!『悪魔のいけにえ/THE TEXAS CHAIN SAW MASSACREだシコッ!!




(バババーーーーーン!!!)


:最高なチョイスじゃねーかッッ!!思わず残尿ちびっちまったぜ!!


:まぁ、どんな映画で、誰が作ったとか出てるとかは、Wikipediaを見てもらうとして……。とはいえ、なんとなく簡単にお前が紹介するんだシコ!(いつおにカンペを投げる蛮男夢)


:俺かよ!アシスタントじゃねーか!まぁ、読むけどよ。

えーと……

"『悪魔のいけにえ』(あくまのいけにえ、The Texas Chain Saw Massacre)は、 1974年のアメリカ映画。アメリカでの公開は1974101日、日本での公開は197521日。R指定作品。日本においても2015年のリバイバル上映よりR15+指定作品となっている。監督はトビー・フーパー。米国テキサス州に帰郷した5人の男女が、近隣に住む人皮のマスクを被った大男「レザーフェイス」に襲われ殺害されていく様子が描かれたホラー作品。真に迫った殺人の描写やそのプロットは後に数多くのフォロワーを生み、マスターフィルムがその描写の芸術性のためにニューヨーク近代美術館(MoMA)に永久保存されることとなった。"

って、長げーな!


:うんうん。で、お前はどこが好きなんだシコ?


:田原聡一朗ばりに回すやんけ!まぁ、でもレザーフェイスだよな、なんつっても!あとはヒッチハイカーことナビンズだろうな!あの二人が映ってるとこは全部最高じゃんか!




:その通りだシコ!いけにえが好きなメンツで喋ったりすると「何しろソーヤー一家がみんないい」って話に結局なるんだシコ!ナビンズは人気者だけど、『悪魔のいけにえ2(以下、2)ではチョップトップとかレザーフェイスにミイラを弄ばれて少し可哀想でもあるんだシコ。



:あー!そうそう!そうなんだよな。ナビンズはチョップトップの双子の弟なんだよね。無茶苦茶なコメディに変化した2ではチョップトップって強烈な兄貴が出てくる笑 ビル・モーズリーって人がやってんだけど、何年か前に来日して新宿のビデオマーケットでサイン会やったらしくて、家にあるNECA社のチョップトップの8インチフィギュアにサインしてもらいに行かなかったのは今思い出しても悔しい〜!


:モーズリーはラッキー・バスタードなんだシコ。『悪魔のマニキュア』っていういけにえのパロディに出てるのをフーパーが見つけて出演が決まったんだシコ!そもそも2の方が好きって人も割といるんだシコ。ワイは恐怖映画の歴史を塗り替えたって意味で圧倒的に1なんだけどシコ。



:俺は割と2支持派!『死霊のはらわた』も『エルム街の悪夢』も『バタリアン』も『グレムリン』も2が好きだしね。


:う〜ん。完全には同意しかねるけど、わからないでもないシコ。ただ、続編が作れるかなんてその時はわかってないんだからやりたいことを詰め込んだ感強めで濃厚なのはどれも1というのは間違いないんだシコ。というか、ホラーの2は勝手に日本が2って呼んでるの8割説あるんだシコ!それにしても何しろグランパ(爺様)なんだシコ。やっぱりグランパが血をチャオチュールばりにチューチュー吸うとこがこの映画の一二を争う名シーンと言えるんだシコ!




:がはははは!そうそう!あそこだよな!(爆笑)最高!そう考えると1にもオモシロがちゃんとあったね。


:のちにグランパと呼ばれていたあのミイラ同然の爺様がレザーフェイス達の父親と判明した時は度肝抜かれたんだシコ!コックが親父じゃなかったのかー!ズコーッ!ってなったシコ。


:サザエさんでいうところの波平がお父さんなんだ!みたいな笑


:そうなんだシコ笑 しかしこれだけ怖くて嫌〜な後味の映画なのに実は直接的な切り株描写とかは少ない、というより殆どないっていうのがこの映画の凄さと言えるんだシコ。よく言われることだけどシコ。


:確かに。TVで放映出来る様にそういう描写を排したって聞いたことがあるな。それでも強烈な後味とトラウマをいまだに植え付けてるってのはやっぱりあの映画がいかにエグい出来かを物語ってるよな。


:それはやっぱり結果的にとも言えるけど、究極的にリアリティを突き詰めた撮影にあると思ってるんだシコ。逃げまどう女子サリーを演じたマリリン・バーンズは意外とガチで酷い目に合わされまくってるシコ。さっき話した指をチューチュー吸われる描写の血は実際のマリリンの血だったという噂シコ。


:確か小道具のナイフが粗悪品で指切っちゃったんだよな。

コックが箒でサリーを殴った時に出来たアザも本物だって言ってたな。撮影の繋がりは大事だろうけど、40度を超える撮影中、汗臭い衣装を一度も脱ぐことを許されなかったってエピソードも強烈だよな。想像を絶する悪臭だったらしい。




:あの有名な食卓シーンの肉は全て腐っていたらしいシコ出演者は吐いて撮影に戻ってを繰り返していたんだシコ。しかもそれが27時間も続いたんだシコ!ただの地獄シコ!


:ひでぇな!笑 雰囲気だけのヤバさじゃなかったんだな。ガチでヤベー中で撮ったからあのトラウマ級の不気味さが出たのかもな。しかし、あとは何と言ってもレザーフェイスの人の皮のマスク!あのインパクトね!


:アレは確かにエポックなんだシコ!言わずもがな"プレイン・フィールドの墓荒らし"エド・ゲインこと、エドワード・スィアドア・ゲインの「記念品」からきている訳なんだけどシコ。



:お前、シリアルキラーの話本当に好きな!笑


:ゲインは死んだ母親オーガスタと一体化したかったんだシコ。そこにはおぞましくも哀しい思いが真ん中にドーンと横たわっているんだシコ。(目を閉じる)


:レザーフェイスは嬉々としてやってるようにしか見えないけどな笑 「人の皮だ!わーい!」みたいな笑 大きい赤ん坊だもんな笑 化粧までしたりしてな笑


:「これは実話を元にした作品である」ってデマのテロップが最初に出るけど、奇しくも近い話があったことで、この映画のリアリティが増したんだシコ。


:あんな奴ら実際にいてたまるか!って感じだよな笑 まぁ、でもシリアルキラーの話を追っていくとそう遠くもないなーって話もあったり。


:古くはソニー・ビーン一族みたいな奴らもいたんだシコ!呪われた血族は実はどの時代にもいるんだシコ!しかし、2がかなりコメディに振り切ってしまったことに怒る人もいると聞いたけど、2もトビー・フーパーなんだから文句も言えないんだシコ。


:それな!スターウォーズのプリクエルが微妙だろうと、作ったのがルーカスなんだから文句言えないってのと同じだよね?


:そういうことシコ。オリジネーターは何をやってもいいんだシコ。1に漂っていた芸術性みたいなものにしょんべんかけるのはその監督の勝手だし、実際あんなぶっ飛んでて面白い続編もそうはない気がするんだシコ。デニス・ホッパーも出てるし何か全体的にバカみたいで最高なんだシコ!


:そうなんだよ!前作から13年後で137歳になってるグランパが益々醜悪だし、あのハンマー何回も持てないくだりとか最高じゃん!超笑ったもんなー初見の時。


:後はチョップトップのバカさ加減とかストレッチって娘のバイタリティ見てるだけで元気がもらえるんだシコ!1見た時点でこんな破茶滅茶な続編は誰も予想出来なかったけど結果としてセルフパロディを延々と見せられてる感じがカルト感強くていいんだシコ。


:そうそう!1が金字塔だからこそ破茶滅茶出来るってのもあるよな。


:いつおは賛否分かれる3はどうなんだシコ?


:『悪魔のいけにえレザーフェイス逆襲』な。俺は嫌いじゃないよ。でも、まぁ、さっきの話の流れで言うとトビー・フーパーが監督やってないって時点でもう別物だからさ。(3の監督はジェフ・バー。『パンプキンヘッド』の2とか『パペットマスター』の45とかホラーの続編をよく撮る)1の方が良かった、2の方が面白いなんて馬鹿なこと言うつもりはないよ。当たり前だろうが!っていう話でさ笑


:ワイも3は擁護派シコ。あの『ゾンビ』のピーターことケン・フォリーが出てるってだけで加点シコ。


:それな!しかもケン・フォリー演じるベニーがマジ強い。


:手も足も出なかった1と比べたらレザーフェイスどうしたの?ってレベルシコ笑 でもまぁ、決して駄作では無いんだシコ。ただ問題は4なんだシコ。あのキム・ヘンケル(トビーフーパーと『悪魔のいけにえ』の共同脚本を手掛けた)が初監督したのに何かレザーフェイスの顔からしてがっかりだったシコ。マシュー・マコノヒーとレネー・セルヴィガーが出てるって以外見る価値ないシコ。


:いや、俺は意外と好きだけどな、『悪魔のいけにえ/レジェンド・オブ・レザーフェイス』。マリリン・バーンズもちょっと出てくるし。というか3に関してもジェフ・バー監督は「あのクソ映画の監督クレジットから名前を外せ!」って言ったってぐらい残酷シーン山盛りカットされちゃったって聞いたよ。向こうはレイティング審査とかめちゃくちゃ厳しいから想像してたモノと違う仕上がりに製作者が泣くことが多いみたいね。その後もリメイクとかリブートはしこたま出てるけど、結局12だよなってことにはなるんだけどな。


:MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)ならぬ、TCU(テキサス・チェインソー・ユニバース)ってとこなんだシコ。それぞれ好き嫌いはあるけど結局レザーフェイス絡みは全部見てしまうんだシコ。


:1に話を戻すけど、レザーフェイスの夕焼けのチェインソーダンスとあの最後のヒステリーになったサリーの狂気の高笑いは耳に残るよなぁ。でもスゲー好きなシーン!


:サリーの高笑いシーンは追加撮影で新たに撮り直したシーンらしいシコ。「こんなことばっかりで本当にうんざり!って思いながら本気で笑ってるの」って本人がメイキングで言ってたんだシコ笑


:へー!そうなんだ笑 ヤベーな笑


:フーパーのこだわりはそれだけじゃなくて、音楽にもとことんこだわったんだシコ。でも色々こだわり過ぎて撮影後も1年以上編集してたから、やっと完成した時には金も尽き、ヒットしたのに、配給のブライアンストン社がマフィアの手先でしこたま金を搾り取られたってオチまでついたんだシコ。金のせいで約8年もかかった続編にも1でレザーフェイスだったガンナー・ハンセンは出てないんだシコ。


:向こうはそういうの色々ありそうだもんな。


:2も予算を管理してたキャノンフィルムズが勝手にやってたせいでハリウッドで撮ったのに散々だったらしいシコ。カットされたフィルムもどこにあるかわからないらしいシコ。


:えー!マジか!もったいないな。でも2のレザーフェイスもトム・サヴィーニ制作でいい味だよね?


:まぁ、サヴィーニ仕事に文句は1ミリもないシコ。サヴィーニならいいかってなるんだシコ。


:いつかあのソーヤー一家の家に行ってみたいね!


:今は移設されて立派なレストランになってるんだシコ!お前が全部払うなら付き合ってやるシコ!


:チッ!


:じゃあ次回はサヴィーニの話が出たとこで『ゾンビ』の話でもするシコ!


:いいね!


:いつおがいるかはわからないシコ!


:えーーーーーーーッ!!(ギャフン)


(2回『ゾンビ/Dawn of the Dead(1978)につづく)








SCUMLIGHTS®︎ presents 映画狂猫・蛮男夢(ばんだむ)のBRUTAL CINEMA CLUB(ブルータル・シネマ・クラブ)

第 4 回 :  『デス・プルーフ  in  グラインドハウス /Death Proof 』 (2007) 〈おことわり〉基本ネタバレ全開で話が展開します。観てない作品のネタバレをされたくない方は個人の判断で読むのをおやめください。ていうか読んだ後で怒るのだけはくれぐれもやめるシ...