2018年2月14日水曜日

BOOKS OF DOOM

BOOKS OF DOOMとは紙で出来た魔物『本』に取り憑かれた人間による、書評というより、デジタルで何でも読めるからこそ実際に手にとって欲しいやん!と強く思った本(文芸、漫画、アート本から雑誌、ムック、ZINEまで)を闇雲に紹介する所謂"単なるオススメ本のコーナー"です。

(1)
今回VHS BOYA®︎が紹介する本は3冊!
☆NECK FACE「DEAD SKIN!!!」
☆爪 切男「死にたい夜にかぎって」
☆磯部涼「ルポ川崎」


NECK FACE「DEAD SKIN!!!」(¥5,400/WACKO MARIA)
NECK FACEというアーティストを知ってるだろうか?
彼は1984年生まれ。アメリカのLAに拠点を置き、スケーターを中心としたストリート・カルチャー全般に多大なる影響を与え続けているグラフィティ・アーティストだ。悪い顔をしたコウモリみたいなキャラが有名で、渋谷では来日時に描かれた壁に残されたボム(グラフィティ)を今も見ることができる。
これは日本発のストリート・ブランド、WACKO MARIA(ワコマリア)からの熱烈なラブコールにより実現した恐らく初となる作品集。(厳密に言うと自作を含めたコラージュ・アートブック)
何しろ布張りのハードカバーがまず最ッ高!全51ページとそこまでのボリュームではないが、フルカラーでNECK FACEの邪悪な臓物が曝されたかのような、ファンにとっては十分過ぎる内容となっている。自分は代官山の蔦屋書店で平積みされていたコレを手にとった瞬間に購入を決意。そこが代官山じゃなかったら悲鳴の後に軽く失禁していたのではないかと思うほどの衝撃であった。なぜなら自分の脳内がそのまんまそこにあったから!
前にレイモンド・ペティボン(BLACK FLAGやSONIC YOUTHのジャケットで有名なイラストレーター)の作品集に出会った時も手が震えたんだけど、人って本当にスゲーものに出会うと武者震いっていうんですかね、アレ。少なくとも俺は絶対ソレがあります。数年ぶりにプルプルと震えた一冊です。金に余裕あったら買い占めて好きな人に配って歩きたい。それは無駄遣いとは呼ばない。絶対に呼ばない。
というわけでワコマリア、マジで×100グッジョブ!!!!!!!!!!!!






爪 切男「死にたい夜にかぎって」(¥1,188/扶桑社)
銀杏BOYZ峯田の帯の推薦文とポテチ光秀によるPOPな表紙の絵に惹かれて何となく購入。そしたらコレが超面白かった!唾を売る女、初体験を捧げた車椅子の女、宗教狂いのヤリマン女など、出てくる女達がみんな強烈で女子に抱く男子の幻想とか妄想とか理想とかそういうものをいい意味でぶっ壊してくれるんだけど、読み終わってから「それでも女子が好きなんだよな、俺たち」ってしみじみ思っちゃうって意味でホンモノのラブストーリーなんじゃないかなー、コレは。
アスカちゃんて娘と主人公の約6年の同棲生活を軸にして、過去の女子との思い出を赤裸々に明るく優しいタッチで描いてて、何だかね、俺も今じゃすっかりときめきを忘れたただの初老ですけども、思い出したんだよなー、色々あったあの娘やこの娘とのあんなことやこんなことを。
笑った顔が虫の裏側に似てたとしても、こんなに素敵な恋愛が一度でも出来たのならまさしく男子の本懐と言えるだろう。
あとがきがとにかく泣けました!
爪さんとはいつか亀戸あたりのスナックで安いウイスキー呑みながら夜通し語り合いたいなぁ〜

磯部涼「ルポ川崎」(¥1,728/サイゾー)
記憶に新しい中1殺害事件など陰惨な出来事が相次いだ工業都市・川崎の現在を切り取った生々しいドキュメント。渾身の、という言葉がこれほど当てはまるルポルタージュは近年無かったのではないか?並ぶキーワードはラップ、ヤクザ、売春、人種差別。帯のコピーは「ここは地獄か?」
凡そ学校の指定図書にはなり得ないとしても、今読む価値は充分にある。
川崎を拠点とするヒップホップクルーBAD HOPの"生まれた時から不良"感漂う証言にも注目。
磯部涼さんは音楽ライターなんだけど、こういう題材にも度々切り込んで行く人で興味とかが自分にすごい近いんですよね、いつも。で、題材との距離感も絶妙なんですよ。入り込み過ぎない。自分の考察とかも出しゃばらないからフラットな立場でスラスラ読める。そして描写力とか異様に高いから臨場感もすごい。Chim↑Pomの広島で飛行機雲でピカッと空に描いた件のQJのリポートとかも超面白かったもんなぁ。磯部さんともいつの日か京成立石あたりの狭い居酒屋で朝まで話したい!
超余談だけど、昔ちょっとだけ付き合ってた川崎で看護師をしてたひろみちゃん元気かなぁ。大晦日にラブホが全部埋まってて俺の実家に連れてったっけ。ほんで親友と横浜のインターコンチネンタルホテルに一泊してたことを知った時はショックだったなぁ。しかもひろみちゃんから誘ったっていう(笑)俺の川崎の傷。「もう一つのルポ川崎」ってタイトルでいつか綴ろう(笑)
          
        ↓横浜インターコンチネンタルホテル



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