2021年11月21日日曜日

SCUMLIGHTS®︎ presents 映画狂猫・蛮男夢(ばんだむ)のBRUTAL CINEMA CLUB(ブルータル・シネマ・クラブ)



 



3『五福星/Winners and Sinners(1983)  


〈おことわり〉基本ネタバレ全開で話が展開します。観てない作品のネタバレをされたくない方は個人の判断で読むのをおやめください。ていうか読んだ後で怒るのだけはくれぐれもやめるシコ!

蛮男夢(ばんだむ)-スカムライツの宣伝担当。夜の暴力映画狂色欲猫(DISCO CAT)





すかむらいつお-80年代のハードコアパンクとVHSマニアのごくつぶし。蛮男夢の一応飼い主。



蛮男夢(ばんだむ)、以下バ:しれっとレギュラーみたいな顔して座ってやがるシコ!ムカつくシコ!


すかむら いつお、以下い:いや、もう3回出たらレギュラーでしょ!2回は怪しいけど、3回なら!今日話す映画も3部作だし!


:上手いこと言ってやったみたいな顔も腹立つシコ。それに3部作と思い込んでる人も多いけど、実は違うシコ!それは後で話すとしてその前にこれ読むシコ!



:はいはい。

"『五福星』(ごふくせい、原題:奇諜妙計五福星、英題:Winners and Sinners)は198377日に公開された香港映画。香港では、公開年の年間ランキング1位の大ヒットとなった。"


:さらに今回は概要欄も読む必要があるシコ。


:めんどくせーな!えーと

"サモ・ハン・キンポー監督・主演の福星シリーズ第一弾。サモ・ハンを含めた主要な五人組メンバー以外にも、サモ・ハン作品やジャッキー作品でおなじみのキャストが勢ぞろいしており、ジャッキーも準主演級の出演、ユン・ピョウも端役ではあるが出演している。1983年香港電影金像奨最佳動作設計(ベストアクションデザイン)を受賞している。"


:さらにさらにシコ!


:"日本では『コータローまかりとおる!』との2本立てで公開された。日本劇場公開版ではジャッキー・チェン主演として編集された。製作年、香港公開ともに『プロジェクトA』よりも前の作品ではあるが、日本では『プロジェクトA』の方が先に劇場公開され、ジャッキー、サモ・ハン、ユン・ピョウの"ゴールデン・トリオ"の人気がピークのころに公開され、公開直前には3人による武道館コンサートまで開かれている。"

スゲー人気だったんだな!

当時の子供達が全員行きたかったやつ!



:この武道館コンサートの映像は下記YouTubeで確認できるんだシコ。



それはさておき今の概要に重要なワードがあったんだシコ!どこかわかるかシコ!


:え?うーんと、『コータローまかりとおる!』と2本立て?


:そこはこの概要で一番どうでもいいんだシコ!笑 

まぁ、とはいえ千葉真一が企画で入り、JAC絡みで真田広之や志穂美悦子らが出演してるアクションコメディ映画だったから、それなりにカップリングされた意味はあるんだけどシコ。





:えーと、じゃあこれだ!"日本劇場公開版ではジャッキー・チェン主演として編集された"!!!!


:それシコ!!お前の割には勘が鋭いシコ!

言ってしまえばコレはサモハンの映画でジャッキーはあくまで"おいしいゲスト"なのに、『プロジェクトA』の大ヒットでジャッキーフィーバー最高潮だったから、そういう編集にされたってことなんだシコ!!前の『ゾンビ』でもやった日本好き放題はここでも出てくるんだシコ!


:ポスターからしてジャッキーがドーンじゃん!笑




:そうなんだシコ!NOTロッカーズのソロ名義陣内孝則による「SUPER SUPERSTAR」がガンガン流れて、ジャッキーのローラースケートカーチェイスが超山場になってるんだシコ!でも「SUPER〜」は名曲だし、ローラースケートのシーンも凄いんだけどシコ。



:しかもチェッカーズの「今夜はCまでRock'n' Roll」と「恋のGO GO DANCE!!」が流れるNGシーン集付きでその後、別に公開されたんだな!笑 (本編のみの日本公開は198484日。その後ジャッキー人気に乗っかって『香港未公開NGカット版付五福星』として198523日に再公開。2014年発売ブルーレイに完全収録された)しかもその時はユン・ピョウの主演映画『チャンピオン鷹』と2本立てで公開なんだ!スゴイ!




:それぐらいその時のジャッキー・チェンは無双とも呼べる人気だったんだシコ!


:確かにこの時のジャッキーのフィルモグラフィー見るとヤバイね!オリジナルの公開年だけど『プロジェクトA』が1983年で、『スパルタンX』が1984年、1985年に『ファースト・ミッション』と『ポリス・ストーリー/香港国際警察』だもんね!無双だわ、確かに。


:ただし、一応言っておくと、この数年前に撮られた『バトルクリーク・ブロー』(1980)でアメリカ進出に失敗、その後起死回生で香港で撮られた謎のサッカー「ドラゴンキッカー」が斬新な『ドラゴン・ロード』(1982)でも振るわず、冬の時代を味わってからの、長らく疎遠だった全寮制の中国戯劇学院時代の兄貴サモ・ハン・キンポーとの友情再び!な、熱い一本ではあるんだシコ。アホなギャグばかりだけどシコ。


:そうだ!七小福!


:で、製作されたのはほぼ同時期なんだけど、今度はジャッキー側がサモ・ハンらを呼んだのが『プロジェクトA』な訳だシコ!綺麗なご返盃だシコ!


:なるほど!で、さらにその後『スパルタンX』だもんね!ユン・ピョウ含めたゴールデン・トリオでの作品連打ヤバイね!しかもどれもヒットしてると言う。


:そんな訳で『五福星』はジャッキー人気にあやかった的売られ方をした作品ではあるんだけど、色んなボンクラギャグが散りばめてあって普通に面白いんだシコ。それが当時の子供にもウケたから、それぐらいが小中学生だった人達にはこの福星シリーズはとっても思い出深いに違いないんだシコ。


:名作とかの棚には並ばないけど、普通に楽しいし、くだらないし、男子ならみんな好きだよね。友達と行った正月映画でこれぐらいの尺と楽しさが丁度いいわーみたいな笑


:そうなんだシコ。ポットを演じたサモ・ハン・キンポーを始め、チンケことリチャード・ンやマジメことフォン・ツイファンなど当時の香港映画のコメディアン大集合な個性強めキャラがズラっと揃ってるんだシコ。刑務所から出てきたみんなで清掃会社を始めるって話なんだけど、刑務所スタートってのが、2作目の『大福星』と同じなんだシコ。





:基本的な作りは一緒だよね?笑 で、出所した後に住むことになった家に女性が一人いてみんなで取り合うみたいな笑 『五福星』は和田勉似のモジャ(ジョン・シャム)の妹メイヤー(チェリー・チェン)を取り合う市場みたいなとこの無線のシーンとかスゲー好き!笑 盲目家族との激しい演奏な!笑




:ロッド・スチュワートの「燃えろ青春(Young Turks)」を熱唱してるんだシコ!あそこはワイも大好きだけど、テレビ放映では演奏シーンはカットなんだシコ。あと透明人間のシーンも名シーンシコ!


:あーあれ最高!笑 そう考えたらリチャード・ン、鉄板だね!笑 というか今見返してもドリフだよね、ほとんど笑


:大勢の男がわちゃわちゃしてる感じもドリフの影響は確実にあるんだシコ。サモハンもインタビューで日本のバラエティはよく見てると言っていたらしいシコ。





:そうなんだ笑 続編の『大福星』も最高なんだよなぁ。縛り組のシーンとかさ笑




:シベール・フー演じるウー刑事(日本語吹替名はリカ)も気づいてるだろうにノッてあげてる感もあって笑えるんだシコ!ベッドがあいつらになってるやつとか最早、今のコンプラではアウトな描写だシコ笑


:あー!アレね!笑 日本主題歌の時代錯誤が歌う「幸運序曲 大福星のテーマ」も大好き!iPodに入れてるもん笑




:カッコイイに決まってるんだシコ!頭脳警察のパンタが作詞、ムーンライダースの鈴木慶一作曲なんだシコ!あと、時代錯誤はどう見ても一世風靡のパロディだけど、若き日のBOOMERがいたことでも有名だシコ。


:それな!笑


:『大福星』は日本が舞台っていうのも特筆すべきとこシコ。最初、都営新宿線のホームから始まるんだシコ!


:あーそうそう!笑 で、いきなりカーチェイス始まるんだけど、急にど田舎!ってやつな笑


:で、急に富士急ハイランドなんだシコ笑


:あのお化け屋敷の入口は後楽園だよね?


:そうなんだシコ。ジャッキーがアラレちゃんの着ぐるみで忍者と闘うっていう時代を感じるシーンも楽しいシコ。


:そうだそうだ!あそこな!いいよね!でもあんな凝ったお化け屋敷ねーよな笑


:ボディビル界の山口百恵こと西脇美智子も現役バリバリの肉体でバトルシーンに登場してるシコ!




:サモハンに1KOされちゃうけどね笑


:賭場のシーンとか、部屋に囲炉裏とか、まさに時代錯誤感はご愛嬌だけど、日本愛は感じる愛らしい作品シコ。


:ルーララルーララのあの唄はクラスでも流行ったってVHS BOYAが言ってたよ笑


:オーバー40らしいエピソードシコ。あと特筆すべきはちびを演じたエリック・ツァンなんだシコ!彼はサミュエル・ホイ主演の『悪漢探偵』や、ジャッキーが事故る前の『サンダーアーム/龍兄虎弟』で監督をしたりしてるシコ。福星シリーズの『十福星』の監督でもあるんだシコ!



:大活躍じゃん笑 ていうか役者であり製作者で器用な人なんだな。あんなダメ人間役だったけど笑


:しかもエリックは16歳でプロのサッカー選手になったという経歴もあるんだシコ。テレビの人気司会者としても香港では有名なんだシコ。


:ヤベー!凄いね!ていうか俺的にはあの人の吹替は小松政夫に尽きるよ!


:わかるシコ!そしてサモハンも水島裕しかいないんだシコ!ジャッキーは石丸博也、マイケルホイは広川太一郎だシコ。むしろ字幕版で見ると違和感感じるぐらいのマッチの仕方なんだシコ。


広川太一郎。ミスターブーに関しては圧倒的に吹替の方が面白い。

:それは言い過ぎ笑 でもわかる気もするな笑


:そして3作目は『七福星』だシコ。1985年に香港で公開。日本では1987年に公開だシコ。この時、ジャッキーは『ポリスストーリー』と『ファーストミッション』も同時に撮影していたから、非常に過密スケジュールだったんだシコ。そして問題のジャッキーが撃たれるというシナリオに書き換えられたんだシコ。


:しかも自ら志願したらしいね笑 『ファーストミッション』もあの時期なら寝ても覚めてもサモハンがいてうんざりだったのかもな笑


:そうかもしれないシコ。恒例となったエロパートを『プロジェクトA2/史上最大の標的』にも出てたロザムンド・クワンに担わせてるんだけど、かなり過激なことやらせてるんだシコ。




:火事だからって水張った風呂に沈ませて乳首がってとこね!盲人になり切ってのトイレのとことかも凄いよな笑

あとは何故かアンディ・ラウが出てる笑




:ジャッキーとユン・ピョウと並んで堂々とバトルシーンもこなしてるんだシコ。後半の倉田保昭も印象的なんだシコ。



:ジャッキーに勝った唯一の日本人じゃないの?笑


:ミシェール・キングことミシェール・ヨーも柔道の師範役で出てるシコ。だけど相変わらずエロのターゲットにされるシコ。



:柔道協会の人に怒られんじゃないってぐらいマジで低俗笑 でもエロとバトルっていう男の子の好きなものが詰まってるからただただ楽しいっていう笑


:最後の最後、エレベーターから続々降りてくる当時の香港映画のスター達登場シーンはカメオ出演という枠を超えたアホアホ展開なんだシコ笑 


:「何の騒ぎだ?」みたいな感じでゾロゾロ出てくるやつね笑 あれでエンドロールって意味わかんないにも程がある!笑 でもジャッキーがエセラップ含めて愉快に歌う主題歌「無問題(モーマンタイ)」はいい曲だよ!サントラも買ったし!

ジャケットが秀逸。

:今でも『七福星』のスコアは日本のバラエティにたまに使われてるんだシコ。


:へぇー!そうなんだ!で、問題は3部作じゃないって点!この3作しか知らねーよ?


:この後、1986年に撮られた4作目がさっきも話したエリックがメガホンを取った『十福星』なんだシコ。『七福星』にも出てたアンディ・ラウや、『サンダーアーム』でもおなじみのアラン・タムなんかも出てるんだシコ!でもジャッキーとユン・ピョウが出てないから、日本での扱いは散々だったんだシコ。



:じゃあ知らんはずだわ笑


:その後もサモハンは降板したし、ジャッキーも出ないけど、『福星闖江湖』(日本未公開、1989年)、『五福星撞鬼』(日本未公開、1992年)、『運財五福星』(日本未公開、1996年)と作られたんだシコ。今のところ、全7作品ある長寿シリーズなんだシコ。


:まぁ、フォーマットとしてはやりやすそうだもんね笑


:総括するとジャッキー人気最高潮の時代に作られた「少年心をざわつかせる香港発アホアホコメディ」なんだシコ!今見ても充分面白いけど、想像以上にしょうもないし、くだらないから特に初見の人は各自気をつけて鑑賞するんだシコ!


:俺は今でも時々見返すぐらい好きだから、損したとかは全く思わないな。でもジャッキーアクション期待して見に行った当時の人達が「少ない!」って怒ったっていうのもわからないでもないけど笑


:ジャッキー主演って売り方した東映の責任だシコ。


:よし、これから吹替でもう一回見ようっと!


:じゃあ、次も男心を震わせる作品ばっかり作ってるタランティーノでもいってみるんだシコ!


:いいね!『デス・プルーフ』とか?


:じゃあ、そうしようシコ!次回は『デス・プルーフ in グラインドハウス』なんだシコ!


:レギュラーだから俺も出るよ!笑


(4『デス・プルーフ in グラインドハウス/Death Proof(2007)につづく)



2021年11月3日水曜日

SCUMLIGHTS®︎ presents 映画狂猫・蛮男夢(ばんだむ)のBRUTAL CINEMA CLUB(ブルータル・シネマ・クラブ)


2:『ゾンビ/Dawn of the Dead(1978)


〈おことわり〉基本ネタバレ全開で話が展開します。観てない作品のネタバレをされたくない方は個人の判断で読むのをおやめください。ていうか読んだ後で怒るのだけはくれぐれもおやめくださいね!


蛮男夢(ばんだむ)-スカムライツの宣伝担当。夜の暴力映画狂色欲猫(DISCO CAT)

すかむらいつお-80年代のハードコアパンクとVHSマニアのごくつぶし。蛮男夢の一応飼い主。

蛮男夢(ばんだむ)、以下バ:さぁ、今回も前回同様、超大ネタについて語るんだシコ!




すかむら いつお、以下い:あぶねッ!!今回もどうにか参加だぜ!!


:許可した覚えはないけど、まぁ、一人で喋っててもつまらんからよしとするシコ。


:チッ!で、どうせ『ゾンビ』に関する軽い概要からだろ?


:正解シコ。やっぱりあくまでも顧客視点に立つべきなんだシコ。ほれ!(カンペをいつおに放り投げる)


:(クソ猫め)

"『ゾンビ』(原題: Dawn of the Dead、国際題: Zombie)は、19789月にイタリアで公開されたジョージ・A・ロメロ監督のホラー映画。日本では19793月に公開された。

数多くのホラー作品を手掛けている映画監督のダリオ・アルジェントが音響効果、ヨーロッパ公開版の監修および一部プロデュースを担当して制作費を集め、ヨーロッパでの配給権を得た。以降の「ゾンビ映画」というジャンルを確立したとされ、当時無名だったロメロは、本作で一躍知られるようになった。"


:まぁ、そんなことはホラーファンなら超常識だし、前回の『悪魔のいけにえ』と、この『ゾンビ』さえ観ておけばホラー映画の基礎は完成って点は世界的に言ってもほぼ一致してるんじゃないかと思われるシコ。個人的にはそこに『死霊のはらわた』が加わればホラー鉄板3本コンプリートって感じシコ。『エクソシスト』とか『シャイニング』って人もいるだろうけどシコ。


:まぁね。今のゾンビブームの生みの親であり原点だからな。ホラー好きって言っといてコレ見てませんじゃ話にならん的一本ではあるよね。しかもこれまでロメロとゾンビについての著書とか資料集は膨大な数が出てるから、それ読んでください、終わり。でもぶっちゃけいいぐらいな笑


:そうなんだシコ。この映画に関しては世界中に有識者とか研究者が多過ぎて、新しく語り下ろす事も殆どないんだシコ。だからこのBCC(ブルータル・シネマ・クラブ)では、ここが好き&ここ観るべきってもっと個人的な思いから話したいと思ってるシコ。


:そうね。じゃあ、まず俺から!まぁ、みんな知ってることだけど、オープニングのテレビ局のシーンにロメロがカメオ出演してんだよな、ディレクター役で。あそこからすでにアガる!



:隣にいるのはクリスティーン・フォレストって人で『ゾンビ』の助監督かつ、のちのロメロの奥さんなんだシコ。(1981年に結婚、2010年に離婚)


:へぇー。そうなんだ。知らなかった!お前はどこが好きなの?



:ワイもオープニングでいうなら超オープニングでフランが壁にもたれかかって寝てるとこのタイトルバックは何百回観てもゾクゾクするシコ!始まったぞーって感じがしていつ見ても痺れるんだシコ。テレビ局絡みだとリチャード・フランセが演じたラウシュ博士がお気に入りなんだシコ!あの眼帯もイカしてるし、「ダミー!ダミー!」うるさくて超好きなんだシコ!



:あー、あいつな笑


:まぁ、『ゾンビ』と言えば、何と言ってもモール(ショッピングモール)なんだシコ!ペンシルバニア州ピッツバーグにあるモンローヴィル・モールでの撮影な訳だけど、70s80s辺りのモールマニアからしたらあんなにモールが出てくる映画もないから中盤から後半にかけてのモールシーンは常にブチ上がりシコ!さらにゾンビもウジャウジャでワイが思う"最強のディストピア"でしかないんだシコ!









:スゲー熱量だな笑 まぁ、わかるけど。


:モンローヴィル・モールはギンベル、ジョセフ・ホーン、JCペニーの3つのデパートメント・ストアで構成されてるんだけど、撮影が許可されたのはペニーズことJCペニーだけだったんだシコ。だから殆どのシーンはJCペニーなんだシコ。ロジャーが滑り降りるエスカレーターで滑り降りながら動画を撮るファンがその後も跡を立たなかったんだシコ。ちなみにペニーズは2012年に9月に閉鎖されてしまったんだシコ。その時、世界的にも有名なゾンビマニアの一人、ノーマン・イングランド氏がフライボーイがゾンビ化した有名なエレベーターの部品を許可を得て持ち帰ったというのは有名な話シコ。さらに銃器店はモンローヴィルには無いから、あそこは別の場所で撮ってるんだシコ!



:モールトリビア止まんねえなぁ笑


:そう言えば、モンローヴィル・モール内に2021年にリビングデッド・ミュージアムが完成したんだシコ!親を質に入れてでも行きたいシコ!






:えー!マジ?行きたーい!!ていうか、何がそんなにお前をモールに惹かれさすの?笑


:やっぱりあの"欲望を満たせば満たすほどどんどん虚しくなっていく"という人間の業とは何たるかを描いたモールでの生活描写はいまだ全く色褪せない痛烈なメッセージなんだシコ!


:そういうメッセージまで受け取ってなかったな笑

まぁ、皮肉ではあるのかなぐらいには思ってたけど。


:だからお前は薄いんだシコ。


:チッ!あとさ、これもよく語られてるとこではあるけど、バージョン違いがいっぱいある問題な。


:一般的に有名なのは3バージョンなんだシコ。






:俺が知ってんのはディレクターズ・カット完全版とダリオ・アルジェント監修版だけだな。


:ソフト化されてるのでいうと、あとは米国劇場公開版だシコ。これは127分のバージョンでロメロが編集したものなんだシコ。


:あー!そんなんもあったな!


:通称ディレクターズ・カット版は本国ではエクステンデッド・エディション(拡張版)と呼ばれるもので米国劇場公開版よりも12分多い139分なんだシコ。ディレクターズと付いているけど、ロメロはこのバージョンを正式に承認してないってことでも有名なんだシコ。実はカンヌ映画祭にかけるために急いで作ったカンヌお披露目用ってとこなんだシコ。だから尺としては完全版と言われたらそうかもしれないけど、ロメロ版はむしろ米国劇場公開版なんだシコ。で、ダリオ・アルジェント監修版はヨーロッパでの公開に際してアルジェントの方が、ヨーロッパの観客の好みがわかってるということで編集を任せた、いわばヨーロッパ版ということが言えるんだシコ。


:詳しいな!むしろキモいな!


:黙れシコ!それ以外にも実はバージョンは山ほど存在するんだシコ。でもいずれにせよ、最初に出会ったバージョンが一番好きという人が多いシコ。ワイは冗長と言われてもやっぱりエクステンデッド・エディションなんだシコ!ファック・モール・フォーエバーなんだシコ!そんなロゴのTシャツ作りたいぐらいシコ!


:俺はなんだかんだダリオ・アルジェントのヨーロピアン版だな!ゴブリンの音楽がカッコいいし!やっぱりラストは「サラトゾム」が合うよ!


:確かにアガるシコ!そういえば『ゾンビ』の日本公開40周年を記念して2019年に再上映された日本初公開復元版なんてとんでもないバージョンも存在したんだシコ!日本で勝手にゾンビがなぜ発生したのかを説明する惑星爆発の自作オープニング映像を流した上に、残酷シーンが映倫を通らないことを危惧してヤバいシーンはモノクロにしたり、静止画にしたり、やりたい放題やってるんだシコ!エンディングのクレジットロールもバッサリ!って本当に好き放題なんだシコ笑



:見た見た!笑 でも、このバージョンは二度と見れない幻のバージョンって言われてたから、上映中はクソ盛り上がってたね笑 当時、リアルタイムで見てたらムキーってなった気がしないでもないけど笑


:ちょっとマニアックな話が続いたから、もうちょっと中身に触れるシコ。とにかく登場するキャラクターが全員いいって点でもズバ抜けてるんだシコ!ワイが一番好きなのはフライボーイ(和名:ヘリ坊や)ことスティーブンなんだシコ!ゾンビ化しても一枚も二枚も上の演技で震え上がる仕上がりなんだシコ!


スティーブン


:俺はやっぱりピーター!ケン・フォリー自体が好きなのもあるけど、一番カッコいいだろ、どう考えても。ロジャーもいいけど、調子乗って案の定ああなるじゃんか。教訓だよな笑

そうなる前のロジャー

ピーター


:実質の主人公・フランも紅一点で最高なんだシコ。意外とちゃんと見てないと気がつかない人も多いんだけど、フランとスティーブンは不倫関係なんだシコ。

フラン

:え?そうなの?


:そうなんだシコ!お腹に子供がいるのにシコ!


:フライボーイめ!やるな!


:いや、触れられてないけどたぶん夫との子供なんだシコ。フランはヘリで「別れた夫を残してきた」と憂い満点の顔で呟くんだシコ。


:あー!そう言えば言ってたな!フランが夫もスティーブンも失って赤ん坊とあの後どう暮らしたのか、ピーターとどうなったのか、気になるところだな。


:有名な話だけど、エンディングの最初のシナリオは2人とも自殺することになっていたんだシコ。フランはヘリのプロペラで頭を吹っ飛ばし、ピーターは拳銃で頭を吹っ飛ばして死ぬんだシコ。夜明けの空をバックにフランの屍体を貪り喰うゾンビが映し出されてエンドロールが始まり、プロペラの音が止まるとエンドロールも終わるという最悪なエンディングの予定だったんだシコ。


:なんとなく聞いたことはあったけど、そのエンディングは知らなかった。マジで胸糞だな笑 


:一応そのシーンは一部撮影までされたらしいんだシコ。だけどダリオ・アルジェントらがハッピーエンドにした方がいいって助言して変更されたらしいんだシコ。まぁ、アレをハッピーと呼ぶのかは置いておいてシコ。


:えー!そうなんだ!


:話は前後してしまうけど、バイカー・ギャングの襲来についても語っておく必要があるシコ。あそこは超重要なんだシコ。


:暴走族な!そうだ!トム・サヴィーニ!ブレイズとして出演もしてて、マジで楽しそうにゾンビ狩りしてるもんね!


:サヴィーニは他のロメロ監督作 『ナイトライダーズ』、『クリープショー』、『ランド・オブ・ザ・デッド』なんかにも出演してるんだシコ。サヴィーニがゾンビ達をボッコボコにしていくシーンの中でも特に有名なゾンビが、マチェーテで頭をサックリいかれるマチェーテ・ゾンビなんだシコ。商品とかポスターのアートワークにも登場してるから、演じたレナード・A・ライズは今でも世界のゾンビイベントで大人気なんだシコ。


VHS BOYA®︎所蔵のゾンビカード


:途中で立ち寄った給油所にいたエアポート・ゾンビことプライドシャツのやつと人気を二分するよな!

エアポート・ゾンビ。アートワークにも出まくり。


:基本ゾンビどもはすぐにヤラレちゃうから、登場だけでインパクトを残せたこの2匹は今も人気なんだシコ。あとは後半のクリシェナ・ゾンビも最高なんだシコ。



:あー!あいつ!フランを単独で襲いに行ったやつね!あいつ、フィギュアにもなってたね、確か。


:バイカー・ギャングに話を戻すシコ。ロメロの友達の映画監督ルディ・リッチがギャング役で出てるんだけど、ギャング達にヤラレるゾンビ役もバラエティ豊かシコ。ハンマーでヤラレる緑のシャツの女ゾンビはフラン役のゲイラン・ロスの友達サラ・ウェイネル、テントに倒れ込みヤラレるゾンビは取材のついでに出た「プレイボーイ」の記者トム・カサヴァントシコ。そして何より、特筆すべきなのは顔にパイをぶつけられるゾンビを演じたロイ・フラムケスなんだシコ!『ドキュメント・オブ・ザ・デッド』の製作者であり、なんとあのトラッシュホラーの大傑作『吐きだめの悪魔』の脚本をやってるんだシコ!


:お前好きだなー『吐きだめの悪魔』笑 でもそうやって知り合いとか有名人とかめちゃ出しちゃうとこも何かいいよなぁ。


:戦闘シーンでゾンビに返り討ちにあったギャングの1人が血圧ゼロになるってあのシーンも最高なんだシコ。あの状況で血圧測るってことに無理があるってツッコミは野暮だシコ。


:あーアレね!血圧ゼロってやりたいだけだもんな笑


:まぁ、そんなわけでレジェンドホラーを二本語り倒したから、ちょっと次回は箸休め的な作品にしたいシコ。



:じゃあ、ジャッキー・チェンでもいっとく?


:あー!いいシコ!しかもジャッキー作品の中でも好き嫌い分かれそうな『五福星/Winners and Sinners(1983)を始めとした福星シリーズにピントを合わせてみようシコ!


:いいね!オモロそう!


(3『五福星/Winners and Sinners(1983)につづく)


SCUMLIGHTS®︎ presents 映画狂猫・蛮男夢(ばんだむ)のBRUTAL CINEMA CLUB(ブルータル・シネマ・クラブ)

第 4 回 :  『デス・プルーフ  in  グラインドハウス /Death Proof 』 (2007) 〈おことわり〉基本ネタバレ全開で話が展開します。観てない作品のネタバレをされたくない方は個人の判断で読むのをおやめください。ていうか読んだ後で怒るのだけはくれぐれもやめるシ...