2021年11月3日水曜日

SCUMLIGHTS®︎ presents 映画狂猫・蛮男夢(ばんだむ)のBRUTAL CINEMA CLUB(ブルータル・シネマ・クラブ)


2:『ゾンビ/Dawn of the Dead(1978)


〈おことわり〉基本ネタバレ全開で話が展開します。観てない作品のネタバレをされたくない方は個人の判断で読むのをおやめください。ていうか読んだ後で怒るのだけはくれぐれもおやめくださいね!


蛮男夢(ばんだむ)-スカムライツの宣伝担当。夜の暴力映画狂色欲猫(DISCO CAT)

すかむらいつお-80年代のハードコアパンクとVHSマニアのごくつぶし。蛮男夢の一応飼い主。

蛮男夢(ばんだむ)、以下バ:さぁ、今回も前回同様、超大ネタについて語るんだシコ!




すかむら いつお、以下い:あぶねッ!!今回もどうにか参加だぜ!!


:許可した覚えはないけど、まぁ、一人で喋っててもつまらんからよしとするシコ。


:チッ!で、どうせ『ゾンビ』に関する軽い概要からだろ?


:正解シコ。やっぱりあくまでも顧客視点に立つべきなんだシコ。ほれ!(カンペをいつおに放り投げる)


:(クソ猫め)

"『ゾンビ』(原題: Dawn of the Dead、国際題: Zombie)は、19789月にイタリアで公開されたジョージ・A・ロメロ監督のホラー映画。日本では19793月に公開された。

数多くのホラー作品を手掛けている映画監督のダリオ・アルジェントが音響効果、ヨーロッパ公開版の監修および一部プロデュースを担当して制作費を集め、ヨーロッパでの配給権を得た。以降の「ゾンビ映画」というジャンルを確立したとされ、当時無名だったロメロは、本作で一躍知られるようになった。"


:まぁ、そんなことはホラーファンなら超常識だし、前回の『悪魔のいけにえ』と、この『ゾンビ』さえ観ておけばホラー映画の基礎は完成って点は世界的に言ってもほぼ一致してるんじゃないかと思われるシコ。個人的にはそこに『死霊のはらわた』が加わればホラー鉄板3本コンプリートって感じシコ。『エクソシスト』とか『シャイニング』って人もいるだろうけどシコ。


:まぁね。今のゾンビブームの生みの親であり原点だからな。ホラー好きって言っといてコレ見てませんじゃ話にならん的一本ではあるよね。しかもこれまでロメロとゾンビについての著書とか資料集は膨大な数が出てるから、それ読んでください、終わり。でもぶっちゃけいいぐらいな笑


:そうなんだシコ。この映画に関しては世界中に有識者とか研究者が多過ぎて、新しく語り下ろす事も殆どないんだシコ。だからこのBCC(ブルータル・シネマ・クラブ)では、ここが好き&ここ観るべきってもっと個人的な思いから話したいと思ってるシコ。


:そうね。じゃあ、まず俺から!まぁ、みんな知ってることだけど、オープニングのテレビ局のシーンにロメロがカメオ出演してんだよな、ディレクター役で。あそこからすでにアガる!



:隣にいるのはクリスティーン・フォレストって人で『ゾンビ』の助監督かつ、のちのロメロの奥さんなんだシコ。(1981年に結婚、2010年に離婚)


:へぇー。そうなんだ。知らなかった!お前はどこが好きなの?



:ワイもオープニングでいうなら超オープニングでフランが壁にもたれかかって寝てるとこのタイトルバックは何百回観てもゾクゾクするシコ!始まったぞーって感じがしていつ見ても痺れるんだシコ。テレビ局絡みだとリチャード・フランセが演じたラウシュ博士がお気に入りなんだシコ!あの眼帯もイカしてるし、「ダミー!ダミー!」うるさくて超好きなんだシコ!



:あー、あいつな笑


:まぁ、『ゾンビ』と言えば、何と言ってもモール(ショッピングモール)なんだシコ!ペンシルバニア州ピッツバーグにあるモンローヴィル・モールでの撮影な訳だけど、70s80s辺りのモールマニアからしたらあんなにモールが出てくる映画もないから中盤から後半にかけてのモールシーンは常にブチ上がりシコ!さらにゾンビもウジャウジャでワイが思う"最強のディストピア"でしかないんだシコ!









:スゲー熱量だな笑 まぁ、わかるけど。


:モンローヴィル・モールはギンベル、ジョセフ・ホーン、JCペニーの3つのデパートメント・ストアで構成されてるんだけど、撮影が許可されたのはペニーズことJCペニーだけだったんだシコ。だから殆どのシーンはJCペニーなんだシコ。ロジャーが滑り降りるエスカレーターで滑り降りながら動画を撮るファンがその後も跡を立たなかったんだシコ。ちなみにペニーズは2012年に9月に閉鎖されてしまったんだシコ。その時、世界的にも有名なゾンビマニアの一人、ノーマン・イングランド氏がフライボーイがゾンビ化した有名なエレベーターの部品を許可を得て持ち帰ったというのは有名な話シコ。さらに銃器店はモンローヴィルには無いから、あそこは別の場所で撮ってるんだシコ!



:モールトリビア止まんねえなぁ笑


:そう言えば、モンローヴィル・モール内に2021年にリビングデッド・ミュージアムが完成したんだシコ!親を質に入れてでも行きたいシコ!






:えー!マジ?行きたーい!!ていうか、何がそんなにお前をモールに惹かれさすの?笑


:やっぱりあの"欲望を満たせば満たすほどどんどん虚しくなっていく"という人間の業とは何たるかを描いたモールでの生活描写はいまだ全く色褪せない痛烈なメッセージなんだシコ!


:そういうメッセージまで受け取ってなかったな笑

まぁ、皮肉ではあるのかなぐらいには思ってたけど。


:だからお前は薄いんだシコ。


:チッ!あとさ、これもよく語られてるとこではあるけど、バージョン違いがいっぱいある問題な。


:一般的に有名なのは3バージョンなんだシコ。






:俺が知ってんのはディレクターズ・カット完全版とダリオ・アルジェント監修版だけだな。


:ソフト化されてるのでいうと、あとは米国劇場公開版だシコ。これは127分のバージョンでロメロが編集したものなんだシコ。


:あー!そんなんもあったな!


:通称ディレクターズ・カット版は本国ではエクステンデッド・エディション(拡張版)と呼ばれるもので米国劇場公開版よりも12分多い139分なんだシコ。ディレクターズと付いているけど、ロメロはこのバージョンを正式に承認してないってことでも有名なんだシコ。実はカンヌ映画祭にかけるために急いで作ったカンヌお披露目用ってとこなんだシコ。だから尺としては完全版と言われたらそうかもしれないけど、ロメロ版はむしろ米国劇場公開版なんだシコ。で、ダリオ・アルジェント監修版はヨーロッパでの公開に際してアルジェントの方が、ヨーロッパの観客の好みがわかってるということで編集を任せた、いわばヨーロッパ版ということが言えるんだシコ。


:詳しいな!むしろキモいな!


:黙れシコ!それ以外にも実はバージョンは山ほど存在するんだシコ。でもいずれにせよ、最初に出会ったバージョンが一番好きという人が多いシコ。ワイは冗長と言われてもやっぱりエクステンデッド・エディションなんだシコ!ファック・モール・フォーエバーなんだシコ!そんなロゴのTシャツ作りたいぐらいシコ!


:俺はなんだかんだダリオ・アルジェントのヨーロピアン版だな!ゴブリンの音楽がカッコいいし!やっぱりラストは「サラトゾム」が合うよ!


:確かにアガるシコ!そういえば『ゾンビ』の日本公開40周年を記念して2019年に再上映された日本初公開復元版なんてとんでもないバージョンも存在したんだシコ!日本で勝手にゾンビがなぜ発生したのかを説明する惑星爆発の自作オープニング映像を流した上に、残酷シーンが映倫を通らないことを危惧してヤバいシーンはモノクロにしたり、静止画にしたり、やりたい放題やってるんだシコ!エンディングのクレジットロールもバッサリ!って本当に好き放題なんだシコ笑



:見た見た!笑 でも、このバージョンは二度と見れない幻のバージョンって言われてたから、上映中はクソ盛り上がってたね笑 当時、リアルタイムで見てたらムキーってなった気がしないでもないけど笑


:ちょっとマニアックな話が続いたから、もうちょっと中身に触れるシコ。とにかく登場するキャラクターが全員いいって点でもズバ抜けてるんだシコ!ワイが一番好きなのはフライボーイ(和名:ヘリ坊や)ことスティーブンなんだシコ!ゾンビ化しても一枚も二枚も上の演技で震え上がる仕上がりなんだシコ!


スティーブン


:俺はやっぱりピーター!ケン・フォリー自体が好きなのもあるけど、一番カッコいいだろ、どう考えても。ロジャーもいいけど、調子乗って案の定ああなるじゃんか。教訓だよな笑

そうなる前のロジャー

ピーター


:実質の主人公・フランも紅一点で最高なんだシコ。意外とちゃんと見てないと気がつかない人も多いんだけど、フランとスティーブンは不倫関係なんだシコ。

フラン

:え?そうなの?


:そうなんだシコ!お腹に子供がいるのにシコ!


:フライボーイめ!やるな!


:いや、触れられてないけどたぶん夫との子供なんだシコ。フランはヘリで「別れた夫を残してきた」と憂い満点の顔で呟くんだシコ。


:あー!そう言えば言ってたな!フランが夫もスティーブンも失って赤ん坊とあの後どう暮らしたのか、ピーターとどうなったのか、気になるところだな。


:有名な話だけど、エンディングの最初のシナリオは2人とも自殺することになっていたんだシコ。フランはヘリのプロペラで頭を吹っ飛ばし、ピーターは拳銃で頭を吹っ飛ばして死ぬんだシコ。夜明けの空をバックにフランの屍体を貪り喰うゾンビが映し出されてエンドロールが始まり、プロペラの音が止まるとエンドロールも終わるという最悪なエンディングの予定だったんだシコ。


:なんとなく聞いたことはあったけど、そのエンディングは知らなかった。マジで胸糞だな笑 


:一応そのシーンは一部撮影までされたらしいんだシコ。だけどダリオ・アルジェントらがハッピーエンドにした方がいいって助言して変更されたらしいんだシコ。まぁ、アレをハッピーと呼ぶのかは置いておいてシコ。


:えー!そうなんだ!


:話は前後してしまうけど、バイカー・ギャングの襲来についても語っておく必要があるシコ。あそこは超重要なんだシコ。


:暴走族な!そうだ!トム・サヴィーニ!ブレイズとして出演もしてて、マジで楽しそうにゾンビ狩りしてるもんね!


:サヴィーニは他のロメロ監督作 『ナイトライダーズ』、『クリープショー』、『ランド・オブ・ザ・デッド』なんかにも出演してるんだシコ。サヴィーニがゾンビ達をボッコボコにしていくシーンの中でも特に有名なゾンビが、マチェーテで頭をサックリいかれるマチェーテ・ゾンビなんだシコ。商品とかポスターのアートワークにも登場してるから、演じたレナード・A・ライズは今でも世界のゾンビイベントで大人気なんだシコ。


VHS BOYA®︎所蔵のゾンビカード


:途中で立ち寄った給油所にいたエアポート・ゾンビことプライドシャツのやつと人気を二分するよな!

エアポート・ゾンビ。アートワークにも出まくり。


:基本ゾンビどもはすぐにヤラレちゃうから、登場だけでインパクトを残せたこの2匹は今も人気なんだシコ。あとは後半のクリシェナ・ゾンビも最高なんだシコ。



:あー!あいつ!フランを単独で襲いに行ったやつね!あいつ、フィギュアにもなってたね、確か。


:バイカー・ギャングに話を戻すシコ。ロメロの友達の映画監督ルディ・リッチがギャング役で出てるんだけど、ギャング達にヤラレるゾンビ役もバラエティ豊かシコ。ハンマーでヤラレる緑のシャツの女ゾンビはフラン役のゲイラン・ロスの友達サラ・ウェイネル、テントに倒れ込みヤラレるゾンビは取材のついでに出た「プレイボーイ」の記者トム・カサヴァントシコ。そして何より、特筆すべきなのは顔にパイをぶつけられるゾンビを演じたロイ・フラムケスなんだシコ!『ドキュメント・オブ・ザ・デッド』の製作者であり、なんとあのトラッシュホラーの大傑作『吐きだめの悪魔』の脚本をやってるんだシコ!


:お前好きだなー『吐きだめの悪魔』笑 でもそうやって知り合いとか有名人とかめちゃ出しちゃうとこも何かいいよなぁ。


:戦闘シーンでゾンビに返り討ちにあったギャングの1人が血圧ゼロになるってあのシーンも最高なんだシコ。あの状況で血圧測るってことに無理があるってツッコミは野暮だシコ。


:あーアレね!血圧ゼロってやりたいだけだもんな笑


:まぁ、そんなわけでレジェンドホラーを二本語り倒したから、ちょっと次回は箸休め的な作品にしたいシコ。



:じゃあ、ジャッキー・チェンでもいっとく?


:あー!いいシコ!しかもジャッキー作品の中でも好き嫌い分かれそうな『五福星/Winners and Sinners(1983)を始めとした福星シリーズにピントを合わせてみようシコ!


:いいね!オモロそう!


(3『五福星/Winners and Sinners(1983)につづく)


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